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どうでもいい(´・ω・`)っていうレヴェルじゃねーぞ
血みどろムーヴィ / kuresaka
ラストサマー3
『ラストサマー3』
(I'LL ALWAYS KNOW WHAT YOU DID LAST SUMMER 2006)



 10年前(もうそんなになるのか)にヒットを飛ばしたティーンスラッシャーシリーズの続編がヴィデオオリジナルとして製作されていたらしい。
 前2作の要だったヒロインのジェニファー・ラヴ・ヒューイット嬢が出演していないという時点で激しくどうでもいい感が濃厚なのだが一応チェックしてみるわけだ。

 当時流行していた『スクリーム』テイストのティーンスラッシャーとして同じ脚本家を起用しての1作目は、主人公達が飲酒運転事故による過失致死を隠蔽しようとしたせいで殺人鬼に執拗につけ狙われるというシンプルなプロットながら、通底するサスペンス感が高くて愉しめた。
 生き残った主人公が新生活で過去の事件を忘却しようとするも追撃の魔手は伸びてくることになる2作目も、リゾートアイランドを舞台にした“嵐の孤島”という隔絶空間での展開が、それなりにスリリングで愉しめたものだ。

 さて本作。
 独立記念日7月4日のカーニヴァルの夜。10年前の都市伝説と化した〈鉤爪のフィッシャーマン〉をネタに悪ふざけを行っていたところ、とんだアクシデントからヒロインを含んだグループは仲間の一人を死に至らしめてしまう。
 しかし、自分たちが行っていた悪ふざけを告白せず、本当に〈鉤爪のフィッシャーマン〉がいたということにして、その秘密を墓場まで持っていく密約を交わした。
 そして1年後、再び地元に戻ってきたヒロイン達に「去年の夏、おまえがなにをしたか知ってるぞ」という、お馴染みの脅迫メッセージが送りつけられ、一人また一人と殺害されていくのだった。
 そんな基本プロットは完全に1作目を踏襲したものとなっている。

 だが、殺害シークエンスになにかしら新しい創意工夫があるでなく、つまりスプラッターホラー的な見どころは皆無。
 そのうえ、まったくサスペンスを醸成できていない、緊張感の不足した演出(フラッシュバックやタイムスライスを多用した映像は逆効果だと思うのだが)にも問題があり、スリラーとしても失格している。

 唯一、評価すべき点があるとすれば、関係人物が次々に殺されていき、果たして誰が犯人かというフーダニット興味が絞り込まれていったところで明かされる犯人像だろうか。
 (以下ネタバレ注意)



 なんとまあ、犯人のフィッシャーマンはヒロイン達が存在を捏造したために誕生してしまったスーパーナチュラルな存在だったのだ。
 つまり飽くまでも〈鉤爪のフィッシャーマン〉であり、フィッシャーマンズコートを纏った誰か既存の人物の仕業というわけではなかったのだ。
 それゆえに神出鬼没で、いきなりあり得ない場所に出現したり、はたまた消失したりして、この辺りの軽々しい演出処理が、空気感の密度や距離が重要なサスペンスムードを著しく削いでいることにも繋がっているだろう。

 前2作が曲がりなりにもフーダニット形式だった作りを踏まえたうえで、確信犯というか故意犯的に禁じ手を繰りだしたのだとしたら、その意欲的な姿勢はそれなりに評価できる。
 ただ、そこを評価したからといって作品の面白さにはまったく関係してこない。率直に述べて愚作・駄作の類いである。
 これは後日公表しようと思っている2006年《血みどろ番外地》血みどろムーヴィアワードのワースト部門に積極的にノミネートしたい出来栄えだ。

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