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これはなんという。゚(゚´Д`゚)゚。 ノワールファンタシー
血みどろムーヴィ / kuresaka

『パンズ・ラビリンス』(PAN'S LABYRINTH 2006)

(ヽ´ω`)「好きな映画監督10人挙げろ」と云われればオールタイムでランクイン、その日の気分によってはトップ5入りすらもあり得る《血みどろ番外地》的フェイヴァリット監督ギレルモ・デル・トロの新作ですな。『パンの迷宮』というタイトルの〈パン〉はローマ神話におけるファウヌス=牧羊神/半獣神という意味なのかね。

 1944年……内乱が続くスペインにて。読書好きで空想癖のある少女オフィリアは臨月の母とともに新しい義父の元にやってきた。この義父というのが山中に潜伏しているレジスタンスの討伐を指揮する隊長なのだが「冷酷っていうレヴェルじゃねえぞ!」という程の冷血漢で、レジスタンス容疑で引っ張ってきた無実の農夫らを尋問中に顔色ひとつ変えずブチ殺すなどの無茶な行為がデフォルトになっているという具合。
 そんな新たな環境下でそれなりの疎外感を感じていたオフェリアはある夜、ナナフシっぽい昆虫が変化したキモめの妖精に誘われるまま、森にある縦穴洞窟の螺旋階段を下りていく。
 そこで逆関節二足歩行する羊の擬人化みたいな奇形クリーチャーに、実はオフェリアはかつて好奇心から地上に出て死んでしまった地底王国の姫君の生まれ変わりであると、奇しくも今読んでいた童話のような設定を告げられる。
 そして地下宮殿再興のためにオフィリアには「鍵を取ってこい」だの「その鍵で金庫を開けて短剣を取ってこい」だのと様々なファンタシー的タスクが課せられていく。
 一方の現実世界では母の出産=弟の誕生と、義父によるレジスタンス討伐が激化していき……といった具合。

 暮逆は今回のように贔屓の監督だとか余程の付加価値がない限り、所謂ファンタシーというジャンルはチェックの範疇外なのだ。
 「似たような」とカテゴライズするのも無理があるような気がするがテリー・ギリアム監督ということで観ていた、やはり少女が過酷気味の現実と暗い幻想の狭間を行き来するダークファンタシー『ローズ・イン・タイドランド』は正直どうもピンとこなかった。
 しかしながら、これは元来ファンタシーが苦手な暮逆のハートをかなりピンポイントでヒットする、さすがのギレルモクオリティだったのだ。

 暮逆がギレルモ監督にシンパシーを感じる理由のひとつに「“蟲”に対する偏執」というものがある。デビュー作『クロノス』は金属製の蟲が人々に吸血属性を齎す話だったし、出世作『ミミック』は“擬態”を意味するタイトル通り、巨大な“蟲”と人間の攻防だった。『ブレイド2』では亜種ヴァンパイアの新興勢力〈リーパー〉の描写に“蟲”的な表現が顕現していた。
 「“蟲”に対する偏執」感覚を「奇形感覚=異形クリーチャーへの拘泥」へと得手勝手にスライドさせるならば『ヘルボーイ』は全編に亘って躍動する異形クリーチャー礼賛に充ち満ちていたと云えよう。

 そして本作でも“蟲”に対するディテールの拘り具合は健在にして顕著。カラリとしたハリウッド感覚とは異なるヨーロッパ的な陰湿さ、すなわち画面の暗影や湿気=粘液感覚も横溢して、ストーリー/美術を含めたアトモスフィア/画面において遺憾なく“ダーク”が強調されたダークファンタシーである。
 だが“ファンタシー成分”は体感的にせいぜい30%未満といったところで、峻烈な現実世界における逼迫した状況の描写が中心となっており、現実と乖離し過ぎた夢物語のいわゆる〈ファンタシー〉的な感覚とは真逆のヴェクトルなのだ。

 これは……泣いたね。メランコリックな劇伴と相俟って余りの切なさにラスト近辺からエンドクレジットロールの最中まで本当に涙が止まらなかったのだ。
 (つД`;)
 暮逆がファンタシーものが苦手な理由の根幹にあるところを逆手に取られたというかね。こいつはダークっていうレヴェルじゃねえぞ。
 強いて云えば〈ノワールファンタシー〉とでもいうか。しかも地味に残虐な描写におけるリアルなディテールの数々にも感心させられること頻り。



(ヽ´ω`)ちなみに軽くネタバレするので予断なく愉しみたい向きはもうここで読むのを止めるべき。



 いわゆるファンタシーものの常套オチとして幻想世界でのクライマックスの暗転から目覚めた主人公が「今までの冒険は全部夢だったんだ」と過酷なままの現実に引き戻されショボーンとしていたところが、そこに「ウフフ違うよ」とばかりにファンタシー内での存在が出現してきて「うはwwwやっぱホントだったんだwwwwww」というパターンのハッピーエンディングが割りと多くあると思うのだが。
 本作の場合は自分の脳内に構築した幻想世界へと逃避するしかなかった現実サイドでの出来事を逐一まざまざと提示していて、これは余りにも苛烈。しかもラストで幻想サイド解釈からの典型ハッピーエンドシーンを取ってつけたかのように挿入することで、逆に現実の悲惨さが強調されてしまい、これはもう涙が止まらなかった。


 ところで暮逆はファンタジーをファンタシーと表記してしまうが「カレー→カリー」「メール→メイル」「ケーキ→ケイク」「アコースティック→アクースティック」としてしまうような瑣末な拘泥だと軽く流しといてくれよ。
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